HIITは痩せない!?

どうも、BURNGYM大谷です。

巷で話題の【HIIT】。ダイエットをしている方なら、1度は聞いたことあるんじゃないでしょうか。

今回はこのHIITという運動について、運動生理学・解剖学的観点からダイエットに対しての有効性を評価していきたいと思います。

HIITとは

HIITとは、20秒間の超高強度運動を行い10秒の休憩を入れ、それを8セットやるという高強度インターバルトレーニングのことです。

この運動は、立命館大学の田畑教授がスピードスケート日本代表のコーチをしているときに、選手たちの有酸素生持久力&無酸素性持久力を向上させるために開発したものです。

田畑教授の研究結果では、1週間に5回のHIITを6週間続けた結果、有酸素性持久力(心肺機能)が13%、無酸素性持久力(筋持久力)が28%向上したという素晴らしいデータがあります。

まず大前提として、スポーツ選手の競技力向上のための運動であり、脂肪燃焼のためのメニューではないということです!

HIITのエネルギー供給源

HIITは高強度の運動であり、運動時のエネルギー供給源は糖質のみです。

HIITの行為そのもので脂肪が燃えているとしたら、それは体内のグリコーゲン(糖質)が枯渇して、筋肉とともに脂肪も分解し、糖質を新たに生み出している場合です(糖新生)。

高強度な運動(無酸素運動)をするということは、筋分解(糖新生)を起こすリスクがあるということを念頭に置きましょう。

筋肉を維持して脂肪のみを落とすのがダイエットの定義とするのであれば、筋トレ以外の無酸素運動をダイエット目的にやること事態が誤った判断だと私は考えています。

アフターバーンとは

HIITを脂肪燃焼の運動メニューで紹介されている方に、アフターバーン(運動後に代謝が上がり、脂肪燃焼が促進されること)があるという説明をする方がいます。

アフターバーンとは、運動後でも通常の安静時より酸素消費量が上がり、運動後もカロリーを消費するという現象です。

これ自体はいくつもの研究で立証されていますが、問題は安静時よりどのくらいカロリーを消費するかです。

とある研究で、複数の女性が様々な運動強度で30分の運動をし、EPOC(運動後余剰酸素消費量)がどのような影響を体にもたらすか調べたものがあります。※参考文献①

VO2max(最大酸素摂取量)の70%の1番高強度な運動をした被験者でさえ、運動後のアフターバーン(EPOC)による消費カロリーは約17Kcalですした。

そうなんです。たった17Kcalなんです。

いろんなYOUTUBERやメディアでも、アフターバーンをすごい大袈裟に誇張して表現しすぎです。

ダイエット目的の方なら、たった数十Kcalのために、筋分解のリスクがある運動を選択すべきではないです。

個人的見解&まとめ

HIITのメリットは、短時間でカロリーを消費でき、心肺機能や筋持久力の効率的向上できること。

デメリットは、カロリー消費はするがエネルギーの供給源が糖質のみということ。

体内の糖質がなくなれば、脂肪を分解し糖質に変換するが、同時に筋肉を分解し、タンパク質も糖質に変換される。

くどいですが重要なので何回も言います!(笑)

特にダイエット時は摂取カロリーを控えているため、体内に貯蔵されている糖質も少なく、糖新生が起きやすいです。

個人的にダイエットしている時、HIITをうまく活用することがあるとすれば、外食や呑み会でカロリーを摂り過ぎてしまった時にHIITをやって、摂り過ぎたカロリーを一気に消費するっていう感じですかね。

ここまで、HIITはダイエットに向かないという説明ばっかりでしたが、冒頭でもお伝えした通りHIITはそもそも心肺機能や筋持久力を向上させるためのものです。

何かスポーツをやっていて、そういったものを向上させたい方には、うってつけの運動です!

糖質をしっかりと補給した後にやってくださいね。

以上で終わりたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

参考文献①https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/52/3/52_3_129/_pdf

参考動画 田畑教授✖️山本義徳HIIT対談動画 https://www.youtube.com/watch?v=KzqXqbgQDS0

執筆者:Otani Reiji